2012年1月22日日曜日

奥会津の建築事情

十数年前、只見町では「たもかく」が不動産売買の仲介を行い、田舎暮らしの社会現象の中、民家売買も少しは行われていた。
空き家となった古い民家もそれなりの価格で売れた。

その後、経済事情の悪化、団塊の世代の高齢化に伴い民家の売買は勢いを失い、空き家は増加している。

こうした空き家には売値が付かない。「使ってくれる人がいれば無料で差し上げます」などという話も聞く。
耕作放棄の田畑や山林も同様に不動産価値は低く、経済活動に貢献していない。

一方、建設コスト、大工手間賃は競争原理が働き難く、必ずしも安いわけではない。

これから先、いつまで住み続けるか分からない家に資金がつぎ込めない理由のひとつに、こうした不動産としての資産価値が付かない現実がある。投資をしても将来の買い手はいないのだ。

奥会津には、大きく、骨太の貴重な民家が沢山残っている。しかしこうした理由で年々手付かずの空き家が増え、雪に痛めつけられて姿を消していく。
県も町も村も建設業界も残念ながら打つ手が無いように見える。
市場経済の原理だけでは解決できない以上、一石を投じなくてはいけないと思うのだが。


2 件のコメント:

とんぼ さんのコメント...

まったく同感です。奥会津は自然も人も素晴らしいのですが、もう一つ、古民家のある景観もこの地の大きな魅力です。幾世代もの豪雪の暮らしを支えてきた家の持つ力強さには畏敬の念さえ感じます。

観光誘致の新たなハコモノを作るだけでなく、こうした古民家の魅力を地域の資源としてもっともっと活用できないものかと感じています。

大内、前沢、水引の各集落。古民家を活用したお店や住みつないでいる住居などなど。まだまだ各地に残っています。こうした奥会津の古民家の魅力ついて、ざっくばらんに苦労話や今後のことなどを語り合ったりする集まりができないものでしょうか。ちょうど、そんなことを昨年秋ごろから思っていたところでしたので、記事を拝見して、嬉しくなりました。

春になったら遊びに伺わせてください。小さな一石かとは思いますが、大きな波紋となって、拡がることを期待して。

毘沙沢 さんのコメント...

投稿ありがとうございます。
古民家に興味を持つ人は沢山いるのでしょうが、改装やら維持管理やら大変なことが多いから敬遠されますね。特に只見は雪が深くて・・・。
それに対するには人の輪が大事とつくづく思います。
暖かくなりましたら毘沙沢に足を伸ばしてください。