2011年10月29日土曜日

木地師を想う





山の中に暮らして10年、自然の恵みをいただきながら、一方都会の、世界の文化を感じながら木々に囲まれて過ごす生活。
木材を加工して生計を立てている、その生活の基盤を都会に求めるという意味でもかつての木地師に近い。

秋の優しい日差しの中で、小豆のさやから赤く輝いた実を弾き出す作業、これもかつての木地の今の時期の仕事・・・でしょう。

日差しの穏やかな薪に陣取ったカマキリも、きっとかつての木地の仮小屋でじっと最後の時を待っていたのでしょう。

なにやらロマンチックな秋の山里であります。

2011年10月27日木曜日

冬支度




「椅子出来た?」「いや~まだ、その前の仕事がやっと終わって・・・。」「何時出来る」「11月末にはなんとか」「雪降ったら、来春になっちゃうの?」「いや~がんばります」

11月13日は音楽会だし、その後東京にも行かなくてはいけないし・・・・これは忙しくなるぞ。
だから天気の良い時に、早めに冬支度。

家の周りの使わない板やら、農機具などを片付け、必要無いものを下の家に運搬。
ついでに下の家の窓に雪避けの板をチョッと早いけど落とし込んで・・・と。

上水の水源の雪対策の為、黒パイプを固定。消雪用の水源を確認し小さなダムの泥だしとパイプの整備。そして水を通して・・・と。途中のパイプを確認してよかった~草払い機で1箇所切られて水がシューシュー。後日修理。

そんなこんなで一日が終わりました。冬支度が出来てちょっと気持ちがすっきり。
疲れる仕事です、でもその仕事場の景色は実に贅沢であります。

2011年10月23日日曜日

秋の一日





何とか晴れ、森林の分校を8時10分発。バスで「恵みの森」の入り口の先まで・・それから歩きました。
吉尾峠を越えて昭和村まで、2時間半ほどの行程はそれほど厳しいものでは有りません。
都会の近くでしたら、立派なハイキングコースになるのでしょうが・・いま年間何人の通行があるのか?

かつては吉尾峠を越えて、美女峠の先、会津若松への主要なルートでした。
途中、峠手前の吉尾集落跡、その手前の木地跡など、かつてはこの様な山の中にも人々の生活がありました。
景色の中にそれらを少し、未だに感じることが出来るのがこのコースの魅力。

昭和村は久々、「秋味まつり」でした、お蕎麦を頂いて、からむし織りの実演も拝見しました。
地機(じばた)で織るからむし織りは何時見ても素晴らしい。
ゆっくり丁寧に物を作る現場が私は好きです。

2011年10月21日金曜日

脱穀



朝から晴れ、今日を逃すと明日は雨模様の予報。
一年に一度の為の脱穀機を一部組み立て、エンジンをかける。

ハーベスタというと、こちらの人は脱穀機であることがすぐに分かります。
この機械は、一時期どこの農家にも必ず有ったのでしょうが今はほとんどが廃棄されてしまいました。
今は、コンバインが刈り取りと同時に脱穀も田んぼの上で済ませていますから。

稲の湿りが無くなるお昼過ぎから作業開始。
脱穀を終え、稲藁を丸く束ね、片付けが終わる頃には暗くなっていました。

今年は昨年に比べ稲の出来が良くない、と心配していましたが、収穫量は(籾の段階で)140キロでした。
昨年が144キロでしたからこの段階では昨年並でしょうか。
ただ、籾摺り後が果たしてどのようになるか?

2011年10月16日日曜日

吉尾峠を越えて


10月23日(日)に布沢から昭和町へ続く古道、吉尾峠を歩くイベントです。

私は数年前の夏、大変な思いをして数人で草を刈りながら吉尾まで歩いた経験があります。
昭和44年の災害で離村したという意味では吉尾と毘沙沢は同じ運命をたどっています。
気になる古道です。

参加申し込みは、明和地区センター(0241-86-2111)へ10月20日正午までに、先着45名です。

今日の毘沙沢




昨日からの雨のお陰でしょうか、カメムシの襲来が少し収まっています。
毘沙沢では毎年今の時期、周辺の山の全カメムシが我が家を目指して飛来する訳です。

もちろん家の中に入ったものは駆逐しています。ですから年々数が減っても良いのですが、決してそんなことにはなりません。
夏の気候の良い時に、大きなフィールドで元気に育ち、しっかり増えているのでしょうから・・・天敵はどうなっているのか?

カメムシは越冬するのに板の間とかに集団で固まっています。仲間を感じる何か?匂い・フェロモン?があります。これを利用して駆逐の方法をどなたか考えていただけると助かりますが。勿論、絶滅しない程度にですが・・・そんなことは今のカメムシの勢いからは考えられませんが。

雨模様の中、わずかに晴れ間が・・・田んぼの向こうの山の紅葉が始まっています。
窓の外の景色が綺麗です。

2011年10月14日金曜日

第3回森林のふれあいコンサート


コンサートまで1ヶ月を切りました。
出演者も決まり、少しずつ準備が進んでいます。

3年前に第1回を開催した時、私は「森林の分校ふざわ」の支配人をしていましたから色々な事が分校を中心に動いていました。
でも今は事情が変わり、只見町の音楽愛好家がそれぞれの思いを抱いて運営しています。そしてさらに輪が広がってきているようにも見えます。

そんな仲間で初のポスター(原稿)が出来ました。
印刷が終われば、只見町の公共の場、主要な施設の掲示板で見ることが出来ると思います。
コンサートは「森林の分校ふざわ」で11月13日(日)13時30分開演です。是非是非お出かけください。

今日は晴れ、毘沙沢ではカメムシが大発生。玄関のドアを開けるとザラザラと落ちて降り掛かる。
工房では頭の周りをブンブン飛び回り、おちおち仕事が出来ない。そんな状況でした。
今年も、また豪雪だと困ります。

2011年10月12日水曜日

水源の掃除




毘沙沢で使用している上水の水源は、200mほど上流にあります。
湧き水を水槽に貯め、黒パイプで家まで引き込んでいるのです。

集落離村の前から使用していた水槽ですから、水槽の底が土という実に原始的なもの。
雨が降ると水が濁るという代物。
そんな水槽ですから、全て自前で維持管理するということになります。北の国から・・と同じです、ただし湧き水。

冬の前の気候の良い今日が清掃日。
お隣のIさんと揚水ポンプ、スコップ、蓋にするシート、針金、バケツ、合板などを運び、水を抜き、底の泥をさらい、清掃し、新しい蓋をかぶせました。

最初の頃は、ヤモリなどが泳いでいたし、その卵なども壁に貼り付いていましたが、今はだいぶ改善されています。
数年ぶりの清掃でしたが「考えていた以上に良い状態でしたね」などと話しています。
こういう感想が出るのは山暮らしが板に付いた証拠。

実は保健所がみたら、目をむいて、相当に驚きそうな状況ですが、我々にはこれが普通になっています。
これが怖い、かも。
いやいや、大丈夫、今のところ腹痛などおこしていませんから。

2011年10月10日月曜日

レコード



最近レコードプレイヤーを頂きました。
だいぶ前にお会いした時に「古いレコードはあるのだけれど、プレーヤーが無くて」とか「レコード最近またブームみたいですね」とか「今でもレコードの製作はしているのかしら」とか「CDよりレコードのほうが気が知れていて・・・」などと話していたから・・・・。

頂いたのは、私が家具の注文を受けているオーディオのプロ・・・手持ちの物を運んでいただいたというわけで・・・申し訳ないやらありがたいやら。

それでも早々にレコードを掛けてみると、いろいろ思い出す。音もCDより良いように思える。そして盤の回っているのが見えるので曲の何処を演奏しているかが視覚的に確認できる。う~やはりレコードだ。

そんなことで、仕舞い込んでいた一まとめのレコードを久々に取り出してみた。
私が子供の頃のもの、新婚当時の曲、子供たちの買ったもの、義理の父親の残したもの、これは誰が?と不明のもの。実にジャンルはさまざまであります。

老後の楽しみがまた一つ出来たような、そんな気がしています。

鴫山城まつり






昨日は朝から快晴。三連休とあって、道路には車の数が普段の倍は走っていたかな・・それでも渋滞なんて考えられない量ですが。

吹奏楽で田島の鴫山城まつりに参加しました。
前日夜の練習に参加して、当日は早朝に家を出て、と言う事で疲れました。
でも、田島にこんな場所が有ったのか、という新たな場所、鴫山城なるものを知りました。

最近私は、ホルンですが、今回の参加はコルネット。でもさすがに練習不足、音の調子が悪く、直射日光の暑さも手伝って思うようには演奏できませんでした。
コルネットでの吹奏楽は今回を最後にしよう、次回からはホルンだ、と言い聞かせ、家に帰って楽器を丁寧に洗って仕舞いました。いざホルン。

お祭りは、新そば祭りも同時開催でしたが、こちらはすごい人、車も止められないのでお昼はいつもの祇園会館へ・・のんびりしていたら、あれ、潤子さんと弘吉さんが・・やはり会津は狭い。

2011年10月7日金曜日

冬の気配




30年ほど前、秋田市で秋から夏までの10ヶ月ほどを過ごした事があります。
その経験から、日本海側の冬の始まりを肌で感じることが出来ます。

そうした冬の始まりが今年はすでに毘沙沢で始まっています。
風を伴い、激しくぱらぱらと降ったかと思ったら、次の瞬間パ~ッと雲が消えて晴れる。それを繰り返しています。

そんな事情で、もうすぐ一週間が経とうとしている我が家の稲穂はなかなか乾きそうもありません。

なにやら気持ちが晴れません。
そんな中、都会者は収穫の秋と言ってもさしたる野菜の収穫の無いことを知ってか。
知人が丹精こめた野菜を差し入れてくれます。
実に美味しい野菜です。
有り難い事です。写真は今日のつかの間の晴れ。

2011年10月2日日曜日

稲刈り










前日の雨が何とか収まったとはいえ、時々現れる黒い雲、ぱらぱら無情の雨。
湿田は、稲刈りとは思えないほどにぬかってぬかって、あ~長靴が抜けない状態のなかで、都会から駆けつけてくれた稲刈り助っ人は頑張ってくれました。

昆虫写真家初太郎さんのカメラを意識しながら、3時間ほどのぬかるみとの格闘。
二束をこの様に重ねて、藁でこんな風にまわして、指で押し込んで・・・もっときつく・・・簡単だ・・おい違うぞ・・などと。
わずかな広さしかないのに、十分楽しめる稲刈りとなりました。

今時、手で刈ってハデに干すなどは実にマニアックな米の作り方であります。
米生産者からみると、こうした行為はアホみたいな世界ですが、遊びですから。
遊びとして実に贅沢ともいえます。

夜の屋外「肉焼き・おでんパーティー」(実は沢山の種類の料理と飲み物が持ち込まれていました、お持ちいただいた皆さまありがとうございました)は、吐く息が白い、そうしたすがすがしい空気の中で肩を寄せ合い続きました。
寒くなりましたから、家の中に移動しましょう。それから、延々と囲炉裏の炭火を囲んで続いたのでありました。

最後の写真は、翌日の朝食風景。
皆さま、今年も遠路、毘沙沢まで稲刈りにお出かけいただきありがとうございました。