只見町は、現在新庁舎の設計の最中であります。
本来の予定では、今頃は基本設計の終盤のはずでした。
しかしながら、この春、設計スタートと共に横やりが入り、中断しました。
こうしたことは建設には、付き物なのでありますが、残念です。
何が残念かというと、庁舎建設は町にとって大変重要な施設であると共に、その建設は町の将来を左右する、いや、設計の過程が、町民とのやり取り、盛り上がりが町を元気にする、町活性化の起爆剤として期待されていたからです。
事の原因は、只見地区の地区センターの扱いです。
設計者選定のプロポーザル段階では地区センターは庁舎と合築で考えられていて、それが一つのテーマとしてプロポが争われた経緯があります。
吉松さんの提案する「ただみリビング」はそうした中で生まれ、只見町の将来の人的交流と若者の似合う明るい只見のイメージ作りに一役買うだろうと期待された訳です。
多くの町民とは関わりのない中で、一部住民と、議会の力で、残念ながら只見地区センターは庁舎から切り離されることが決まりました。
しかしながら、庁舎は単なる事務所では無いのだ・・・・・庁舎は町民の生活の場でなくてはいけないと思う町民が沢山います。
町民がぶらりと行ってくつろげる場、観光客が一時を過ごせる場、本を読んだり御茶を飲んだり、おしゃべりしたり遊んだりできる場。町民と町職員が何気なく近づける場・・・・そんな町民の意識の中心となる場は、たとえ地区センターが分離したとしても庁舎として取り込まなくてはいけない重要な要素だと考えて頂きたいのです。
庁舎を企画検討されている職員の皆さま、これは、今までのこの町の生活の中では気が付かないことかもしれませんが、これからの若い人たち、外からこの町に住んだ人やお嫁さんには必要なことなのだと信じて、自信をもって進めていただきたいと思うのであります。
そんなことを話し合う集まりが最近あったことを報告しておきます。
2 件のコメント:
公共施設の公開プロポというのは滅多にないチャンスなので多くの建築家が全力で提案書を作成し提出したと思います。そう云うチャンスを提供した主催者はいい仕事をしたと思うが、一方その社会的責任も生じます。当選者はさあこれから計画案を具体化しようと云う矢先の出来事でさぞがっかりした事でしょう。もともとプロポというのは案を選定するのではなく設計者を選定するものだと割り切ればこうした事もあり得るかもしれません。しかしその変更内容が後ろ向きであるとすればお互いにとって不幸な事に違いありません。プロポ以前にもっと真剣に検討されていてしかるべきだった様に思えます。
ありがとうございます。
残念ながら奥会津には今だ建築家というものの存在が定着していないような気がします。
そして、設計行為、プロポなどというものの社会的役割が正確には理解されていない社会なのかもしれません。
いや、日本全体が大同小異かな。
我々の役割なのかな・・・・。
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