2013年1月15日火曜日

雪国の屋根

奥会津の豪雪地に、どのような建築・屋根が適しているのか、という事を、最近考えています。
これについては、だいぶ前になりますが、芝浦工大の三井所先生(現在・名誉教授)が只見町で講演しています。
三井所先生は、当時新潟の豪雪地でいろと実験されていて、そうしいた経験を元に対策をお示しいただいた、と記憶しています。

1.豪雪地での主に住宅では、いかに速やかに屋根の雪を落下させるか、にいくつかの工夫を実験されていて、これには勾配屋根の勾配の大きさと棟の雪切りがデザイン上のポイント。
2.奥会津の特徴はその雪の量に課題があり、落下した積雪が軒先まで届いてしまう。その解決としては、軒先を高く持ち上げる。これは新潟県側では基礎を1層分ほど持ち上げて解決している例を見かけるが、三井所先生は、水で溶かす優位性を紹介していたように記憶しています。

そんな折、北海道で設計経験のあるY先輩から
 RC造の建物で有れば 雪は屋根に溜めておくべきと思います。陸屋根は下記の理由から積極的に活用すべき
  • 春から秋に掛けて素晴らしい眺望を提供してくれます、日の出から日没まで、 町民の憩いの場とすべきです。
  • 太陽光等エネルギーの設置に有効です。
  • 積雪が想定外の場合を考え 屋上に小型除雪機を上げられる様エレベーターは屋上まで上がれるようにする、 町民の展望にも使える。
  • 屋上の積雪を3mとしても 屋根スラブの補強鉄筋は1000円/㎡以下です。
  • 積雪が断熱材として大いに役立ちます(冬季外気温がマイナス15度であっても 雪温はマイナス3度に過ぎません)
この内容は、札幌と奥会津の雪質の違いを考慮する必要があるとしても参考になる助言で、それらを受けて、私は現在以下のように考えています。

1.公共性の高い建物で、屋根面の大きな建築は陸屋根という解決が有効な方法として考えられる。その場合、雪荷重による構造への負担の考察、屋根周辺部(せっぴ・雪庇)の雪を処理する方法を十分検討しておく必要がある。
2.構造上、あるいはプランニングの関係で屋根の雪を落とす必要があるときは、積極的に落とす工夫と、落ちた雪の処理(エネルギーを使わず流水で溶かすとか、夏の冷房で使うとか・・付加価値を付ける)が適当であること。機械力を駆使する場合にはその具体的方法の検討。
実際には、建築の種類に係わらず、この2つの方法で、入念に注意深く計画する事ではないか、と考えています。

この問題に詳しい方、ご意見頂ければ幸いです。

2 件のコメント:

ばーばのぱぱ さんのコメント...

「スノードレーン」という工法はいかがでしょうか。陸屋根の屋上雨水排水ドレーンを外壁側に設けないで内樋とし生活排水と合流させるのです。生活排水には一定程度の熱がありそのエネルギーを融雪に活用しようと云うものです。つまり陸屋根と雑排水兼用の内樋の組み合わせです。調べてみてはいかがでしょうか。

毘沙沢 さんのコメント...

ありがとうございます。
勉強してみます。
電気を使ったり、井戸水を使ったりというような技術も有るようですが、果たしてそれで良いのか?と・・・いろいろ勉強が必要なようです。